屋我地ロードレース2017【Report6】

昨年掲載出来なかった屋我地ロードレースReport記事の続編第6弾を掲載。

今回はシニアレースカテゴリーに出場した島袋直樹選手のインタビュー記事です。

※昨年時のインタビュー記事で1年かけての掲載となりまして、大変申し訳ありません。

 

自転車との出会いが変えた日々

                     

去年、オリンピックロード日本代表は沖縄出身の2人でした。

その原点は40年前のある高校生のゼロ発進でした。

今回屋我地のシニアレースに参加した島袋選手、一週間前の宮古でのレースでゴール前の落車に巻き込まれ肋骨にヒビが入り、一時は出場を諦めたがその痛みをおして出場、何が彼をそこまで駆り立てるのか、お話を聞いてみたら興味深い事実が聞けました。

 

  • 自転車の魅力は?

 

自転車の魅力は究極のエコ、そして機能美としての美しさ。芸術品の価値としてもあります。競技用としてだけでなく。

自転車競技はツールドフランスなど世界的にはメジャースポーツです。

 

  • 日本では、メジャースポーツというと、野球やサッカーが主流で世界各国のようなポジションには、まだないようですね。

 

プロとアマチュアのフィジカルの違いが要因の一つとしてあります。

それ以上に、プロのチームとしての闘い方、ステージレースとワンデイレースの違い、市民レースでの個人の思惑などが自転車レースを複雑にしてます。それをわかりやすく伝えることが必要です。

 

  • 「わかりやすく伝える」ということを指摘いただきましたが、

たとえば「競技で勝つために必要なこと」とは、どんなことでしょうか?

 

競技で勝つ為にはフィジカルや努力、根性以上にセンスが必要です。

センスとは自分の体を自分の思い通りに動かせるか、レースを自分の思い通り動かせるか、自分の思い通りに練習できるかということだと思います。

 

中学から、なんとなくバレーを始めますが本を読んだり、理論を勉強したりして強い選手の真似をすれば、そこそこ通用することがわかりました。

 

そんな折、父親が脱サラして自転車屋を始めたことが転機となり、自転車競技を始めます。仲間と共に全国インターハイを目指しますが、沖縄には自転車の高体連も競技連盟も無く出場出来ませんでした。

 

それから一年、同好会を部活に昇格させ、森社長に連盟の会長をお願いして、高体連にも加入出来、沖縄初の全国インターハイ出場と国体出場を果たしました。

 

  • 40年前のゼロの時代から沖縄の自転車競技をスタートさせたのは当時高校生だった島袋選手とその仲間達だったのですね。

これから更に、自転車競技を沖縄に根付かせるためにされたい活動などについて、教えてください。

 

自転車は競技とサイクリングの間に大きな溝があります。

確かにレースは難しいし、怪我の恐れもあり、参加には二の足を踏む人が多いです。

初心者の方にレースの走り方のマナーや、危険回避のテクニックなどを教えて、そのような人が参加できるようなレースなどを開催していきたいです。

 

20歳からは30年間テニスに打ち込み、国体出場のレベルまで行き、協会や指導者の立場で競技力向上や普及に携わってきた経験を復帰して始めた自転車競技の為に活かしたいです。

 

  • 沖縄の自転車競技のパイオニアの島袋直樹選手からは、今回のレースだけでなく、沖縄自転車競技の今昔物語をお聞かせいただくことができました。

  今回のレースを振り返り、また次回以降のレースについて、想いを聞かせてください。

 

怪我をおして出場したシニアレースでは2位に入りましたが出る以上は優勝を目指していたので悔しい、でも優勝した選手が強かった。来年リベンジします。


屋我地ロードレース2017【Report5】

昨年掲載出来なかった屋我地ロードレースReport記事の続編第5弾を掲載。

今回は市民レースカテゴリーに出場した大城宗純選手のインタビュー記事です。

※昨年時のインタビュー記事で1年かけての掲載となりまして、大変申し訳ありません。

 

速さだけではない自転車の魅力

 

自転車を生活の足として利用しながら、競技としても自転車を楽しむ。

市民レース出場の大城宗純選手(BIB59)に、お話を伺いしました。

 

  • ファッション感覚で楽しむ自転車があっても。

 

「敢えて、速さだけを求めるのではなく、自転車にはいろいろな楽しみ方があると思います」

34歳の大城選手が、そう語ってくれました。

 

安全な場所で楽しくスケートボードを楽しむシーンがあると、その町がカッコよく見えるように、自転車もファッション感覚でも楽しむことができると語ってくる大城選手。

 

普段は、「Restarant&Bar PORTO」のオーナーでもありシェフでもあります。

お店のHPを拝見しました。

HPを開くと目に飛び込んでくるのは、食欲をそそる本格ピザのおいしそうな写真と、自転車もお店のファッションの一部になっている写真です。

 

競技で利用する自転車は、作りそのものが、スピードを求めて、非常に機能的に作られております。

それを、お店のインテリアのように使いこなすと、スタイリッシュな印象を空間にもたらすアイテムにもなるようです。

同じ食材でも、シェフの腕で、できる料理の味が変わるように、同じ自転車でも、センスのある人の手にかかると、オシャレインテリアにもなるようです。

 

実際、自転車は、生活の足としても利用されるほど、実用性に優れています。

レースのスピードを求めたり、仲間とのサイクリングを楽しんだり、生活の足として実用したり、お店のインテリアとして活用したりと、使い方は、さまざまあることを、大城選手は教えてくれました。

 

  • 印象に残る走りがしたい

「印象に残る走りがしたい」

それが、レースに臨むにあたり、思っていたことだそうです。

ペースを上げて、応援してくれている人たちの印象に残る走りをしました。

応援に来ておりました奥様と息子さんに、お二人に大城選手の走りについて、伺うと・・・

「暑そう」

と口をそろえて答えました。

 

出場選手が異口同音に言うように、レースそのもののキツさに加えて、この日の暑さがさらに追い打ちをかけました。

「水かけがよかった」

と口にした一言が、暑さと戦う大城選手のレース中の気持ちを象徴しているようでした。

 

  • レースの後も、仲間と楽しい時間を過ごすことができる

 

御多分に漏れず、大城選手も、自転車競技の魅力の一つとして、「仲間ができる」ことを挙げてくれました。

屋我地は、そばに海があり、大会の後には、そこでステーキを仲間たちと食べることも、この日の楽しみの一つのようです。

楽しい時間をともにできる仲間たちができることも、自転車の魅力だと改めて感じました。

 

  • 生活の一部になるほど、自転車と長く親しむ

 

自転車競技のキャリアは長く、小学校6年生の時BMXに出会いました。そのうち、レースに出てスピードにはまり、ロードレースに。

一時、間が空きましたが、結婚後に再開。もともとはガソリン代を浮かすために、生活の足として自転車を再開したそうです。

それが今では、この屋我地ロードレースの他に、

「ツール・ド・おきなわ」

「豊崎新春ロードレース大会」

「ツール・ド・宮古島」

さらにはトラックレースにも参加されるそうです。

 

今大会は、少し練習不足を感じたそうです。

「ツール・ド・おきなわ」に向けて、まじめに練習を重ねたいと語ってくれました。

 

「将来は、家族みんなでサイクリングを楽しみたい」

生活の一部として自転車が欠かせない、大城選手のインタビューでした。

 

Writer:Ooki Morikawa


屋我地ロードレース2017【Report4】

昨年掲載出来なかった屋我地ロードレースReport記事の続編第4弾を掲載。

今回は女子カテゴリーで優勝した仲村陽子選手のインタビュー記事です。

※昨年時のインタビュー記事で1年かけての掲載となりまして、大変申し訳ありません。

 

勝つべくして勝つ、女性アスリート

 

レディースレース1位の仲村陽子選手に、お話をお伺いしました。

 

  • 2週連続の表彰台

「レースのプランは、上りで勝負を賭ける予定でしたが、実際は、下りでばらけて、独走となりました。

スプリント勝負になると、勝てない恐れもあったので、ある意味理想的な展開となりました。」

 

レースを振り返り、仲村選手は、そう答えてくれました。

 

仲村選手は、前週の宮古島のレース184Kmの部に出場し、総合でも10位という好成績で、見事優勝されました。

その時の疲れが残っていて、調子は決して良くはなかったそうです。

それでも、スプリント勝負にならないように、うまくレース運びできたことが、勝利につながりました。

 

実際、仲村選手の活躍は、男性の中でも、とても有名です。

 

今回ご縁があって、インタビューさせていただいた男性の方々からも、

「陽子さん(=仲村選手)に、話聞かないと!!」

と、仲村選手へのインタビューを勧めてくれました。

 

  • 自転車を始めたきっかけは・・・

自転車競技は、6年間続けているそうです。

レース競技に出るのは、今年で5年目。

屋我地ロードレースには、4年前から毎年参加されています。

 

そもそも、自転車をはじめたきっかけは、スピードを求めて、とか、仲間がほしかったという理由よりも、ダイエットという男性にはあまりない理由でした。

 

ただ、女性の場合、スポーツを始めるにしても、体を動かすにしても、

「ヨガ」「ウォーキング」「ジム」などが比較的多いように見受けられます。

 

仲村選手が敢えて自転車を選んだ理由を伺うと・・・

 

「たまたまです」と笑いながら答えてくれました。

「何かを始めようとしたとき、自転車がカッコよかったから」だそうです。

 

  • 勝ち続けるためには、やはり練習の積み重ねは不可欠

練習は、仲村選手のお住まいのある浦添市から、南部に移動して練習しているそうです。

知念半島から南部を周って帰ってくるそうです。

週に200km程度走破しているそうです。

 

  • 自転車競技の魅力は

「レース後の出し切った感」

端的に仲村選手は答えてくれました。

 

そして、そのあとに続けてくれたお話が、印象的でした。

 

もちろん、仲村選手といえども、レースなので、不本意な順位や結果の時もあります。

それは気持ちをスパッと切り替えて次に臨むことができるようになりました。

 

「できるようになりました」とは・・・?

 

自転車を通して、体の都合が望ましいものになっただけでなく、心も前向きになったそうです。

逆に、それまでは、割りとできなかったことに、不必要に長くこだわったりして、気持ちを切り替えられず、結果、損をしていたことも多少なりともありました。

それが、気持ちを上手に前向きに切り替えることができるようになったのは、自転車を続けていた中で得た副産物ではありますが、とても貴重な副産物のようでした。

練習の積み重ねだけでなく、気持ちの切り替えの早さもまた、仲村選手の強さの秘訣なのかもしれません。

 

  • 自転車競技は、まだまだ女性が少ないのですが、それについては?

サイクリングであれば、健康的だし、景色も楽しめるので、女性にはとてもオススメです。

一方で、レースとなると、女性の誰にでもオススメできるかというと、そうは言い切れないのが正直なところのようです。

ケガの危険と隣り合わせのスポーツであることは、事実です。

仲村選手ご自身は、競技レースが生活の一部になっているのですが、自転車の楽しみ方は、人それぞれ、自分に合っている楽しみ方を見つけることが、長く楽しく自転車と付き合えるコツかもしれません。

 

  • 今後の抱負

「ツール・ド・おきなわ」他、大会に参加予定だそうです。

見ているのは、常に高嶺です。

まだまだ女性の参加者は少ないのですが、小学生の部などでも、少しずつではありますが、女の子が男子に交じって、ペダルを漕ぐようになってきました。

 

インタビューを聞かせていただき、「カッコいい女性」という印象を受けました。ちょうど、会社にいる、仕事が早く、判断力もあって、面倒見もいい女性の先輩のような感じです。

これから増えてくるであろう、女の子のロードレーサーの憧れの存在として頑張ってほしいと思いました。

 

Writer:Ooki Morikawa


屋我地ロードレース【Report3】

屋我地ロードレースReport第3弾の掲載です。

今回は自転車に出会ってから3ヶ月でビギナークラスに出場したシラキ寛人さんのインタビュー記事です。

 

【屋我地ロードレースReport3「屋我地ロードで得た経験 シラキ寛人」】

 

自転車との出会いが変えた日々

 

自転車に出会ってから3か月。集団で走るのもはじめて。

当日の結果だけ見れば、本人が100%満足いくものでは、決してない。

それでも会心の笑みで語ってくれる、自転車ビギナーがこの1日を通して、得られたものとは・・・

 

ビギナーレースに参加のシライ寛人選手(BIB6番)にお話を伺いました。

  • 自転車をはじめて3か月なのに、このレースに出場を決めた理由は?

「どうせなら、目標があった方が楽しいですよね」

というのが、シラキ寛人さんの回答でした。

シラキ寛人さんは、自転車を初めてまだ3か月。

日頃は、ある大手企業にお勤めなので、練習は、どうしても21時以降の遅い時間になってしまうそうです。

多忙の合間を縫って、いつも一人で、20kmほどの練習を重ねて、この日を迎えました。

 

  • どうして、自転車を始めたのですか?

「運動がしたかった」というのが、もともとの理由のようです。

ただ、どんなスポーツでもよかったというわけでも、なさそうです。

実は、以前、別のスポーツで足を怪我してしまい、走り込みが求められるような、足に負担の大きいスポーツを選ぶことはできませんでした。

実は前々からトライアスロンに興味はあったそうですが、その理由で、断念。

ただし、自転車であれば、走ることに比べれば、足への負担は少ないということで、自転車をはじめたそうです。

 

  • 自転車だからこそ、得られたものとは?

「達成感」を感じられるスポーツだというのが、自転車から感じる魅力の大きなもののようです。

通勤の時、バイクを使えば確かに早く着きます。

それを自転車に変えると、自分の足でこいでたどり着いたという達成感があります。

「自分の足で」というところが、毎回感じる達成感をもたらしてくれるのです。

 

  • 「どうせなら目標があった方が・・・」と臨むこのレースに対しての想い

ランに比べて、足にかかる負担が少ないという理由で選んだ自転車を楽しむシライさん。

より自転車を楽しむために思ったことが、「どうせなら目標があった方が」という思い。

そこで、屋我地ロードレースのビギナーレースに参加を決めました。

「登りが苦手で、下りが得意」のシライさんにとって、アップダウンがあって、距離にして約15kmが、3か月のビギナーにとって、手ごろだと感じて、今の自分の目標にふさわしかったよです。

目標は完走、タイムは、30分を切りたいと意気込みを語ってくれました。

そのための作戦として、初レースなので勝手がわからないということもあり、1周目はまず様子見、2周目から状況に応じて、走っていくというプランでした。

 

  • 期待に胸を膨らませて臨んだ初レースの結果は・・・

最初は、なかなか思うようにいかないのが、何事にも共通していることなのかもしれません。

初レースに対して、不安な気持ちが強くなりがちなのが普通なのに、シライさんは、どちらかというと、楽しみにワクワクする気持ちの方が、不安に勝っていたように感じました。

しかし、実勢のレースになると・・・

緊張のためか足をつってしまったり、サイクルコンピューターに不具合が出てしまったり、予期せぬトラブルのために、レース前の期待通りにはなかなかいかなかったようです。

結果も、決して、シラキさんが満足いくものではなかったようですが、

「出てよかった」

と答えてくれましたことが、とても印象的でした。

「いつも一人だったので、自分が今、どのくらいの実力なのか、わかりませんでした。」

「初めて、集団で走って、ほかの人と比較して、自分の立ち位置がどのあたりなのかがわかりました。」

「今後は、チームに入って、ほかの人と一緒に練習をしたいと思いました。」

「今日、すでに、二人も友達ができました」

自転車を引きながら、語ってくれた言葉から伝わるものを、最後に一言、シラキさん本人が口にしてくれました。

「出てよかったです」

 

お話を聞きながら、シラキさんにとって、自転車に出会った3か月前には、想像すらできなかった今があるのだと感じました。

一人で走る自転車も「達成感」を感じることができる素晴らしい乗り物です。

そして、そこにさらに、同じように自転車が好きな仲間が増え、目標ができることで、人生がもっと充実したものになります。

 

自転車競技の目標でいうと、シラキさんの次のレースは「ツール・ド・おきなわ」と来年2月の「新春ロードレース競技大会」を視野に入れているそうです。

 

貴重な仲間と目標と、充実した時間。

この大会は、自転車に出会うことで、それらを手に入れられたことを、シライさんに教えてくれた1日になったようです。

 

 

Writer:Ooki Morikawa


屋我地ロードレース【Report2】

屋我地ロードレースReport第二弾の掲載です。

今回はロードレース大会に初参加でジュニアクラスに出場した玉城凛之丞(たまき りんのすけ)君のインタビュー記事です。

 

【屋我地ロードレースReport2 「レース初参加 玉城凛之丞」】

 

多くの学びが凝縮された貴重な経験

 

勧められて、偶然、出会ったスポーツが、振り返ると、人の成長に大きな影響を与えてくれることが少なくないようです。

そんなことを、教えてくれたのが、玉城凛之丞選手(BIB13)。12才の中学生。ジュニアのレースにエントリーして、今大会が初めてのロードだそうです。モノづくりに興味を持ち、エンジニアを夢見る玉城選手は、饒舌に語るタイプというよりは、控えめな印象が目立つ中学生でした。

 

  • 初めてのレースに臨む率直な気持ちは?

「不安です」

とスタート前に漏らした一言は、初めてのレースに臨む中学生の本音かもしれません。

これから未知の経験に踏み出す時に、2パターンの気持ちがあるようです。

方や「楽しみです!」「ワクワクしています!」。

方や「不安です・・・」「緊張しています・・・」。

どちらが正解ということは、もちろん、ありません。

その人の性格や考え、その時の状況などにより、答える率直な気持ちが、敢えて言えば、正解です。

強がらず、気取らず、率直な気持ちを答えてくれました。

今回はご家族(お父さん、お母さん、弟さん)が応援に来てくれての参加です。

「どんなレースにしたいですか?」

というスタート前の質問には

「最初は、ゆっくりと。だけど坂道で勝負したい」

と答えてくれました。

 

  • では、実際走ってみて、いかがでしたか?

「思った以上にキツかった」

と、レースを振り返りました。

暑さと、初めての集団レースで、体力の消耗が激しかったそうです。

しっかりと練習はしていたのですが、そのときは朝8時くらい。まだ太陽が上がりきっていないときのこと。

しかし、レース本番は、9時を過ぎていて、練習の時よりも直射日光が照り付ける時間帯でした。

また、はじめて走る集団のレースなので、自分のペースがつかみにくく、序盤で体力を使ってしまったそうです。

未経験のことが重なって、心身ともに、楽ではないレースを強いられたそうです。

ただ、玉城選手本人には、自覚がなかったのかもしれませんが、その経験が、貴重な経験として、ご両親の目には映っていたようです。

 

  • 「人生の先輩」でもある、ご両親の想い

スタート前には

「欲を言えば上位に入ってほしいです。だけど現実的には来年につながる走りを期待したいです」

とコメントしてくれたのが、お父さん。

「本人のいいところは“頑張り屋”。負けたくないという気持ちが持ち味です。あきらめない気持ちで頑張ってほしい。いろいろなことに興味を持つので、いろいろなことに挑戦してほしい。この大会もその一環です」

とコメントしてくれたのが、お母さん。

順位やタイムを追うだけが、自転車競技の魅力ではありません。

初参加でも完走できたというのは、とても素晴らしい結果です。

それに加えて、厳しい状況の中、あきらめずに、最後までにやり抜くことを、競技を通して教えてくれるのもまた、自転車競技の持つ魅力の一つではないでしょうか?

 

  • 息子の健闘を讃えて

未知の経験に踏み出し、初陣を見事、最後まで走り抜いた息子、ご両親がこんなコメントをくれました。

「来年に向けて、という意味では、とてもいい走りができたと思います。来年は5位入賞を目指してくれるとうれしい。お疲れ様でしたと言いたい。」

と健闘を讃えたのが、お父さん。

「気持ちの面では、最後まであきらめずによかった。これからもいろんなことにチャレンジしてほしい」

と、特に気持ちの面で頑張りを喜ぶお母さん。

息子の成長に期待を寄せながら、見守るご両親の想いに触れた一幕でした。

 

  • 「不安です」 「キツかったです」 その後に残ったのは・・・

走る前は「不安」。

走っているときは「キツイ」。

「では、走ってみて、どうでした?」と玉城選手に伺ったところ、

「完走できてうれしい」

と、控え目な口調ながら、開口一番、そう答えてくれました。

そして、この経験を踏まえて、

「今回は集団に惑わされてしまったが、自分のペースで走ることができたら、もっと上に行けると思う」

と終始控えめな12才が、最後に一言、力強く話してくれました。

 

玉城選手が自転車を始めたのは、たまたま勧められたからだそうです。

 

レースそのものは、短い時間ではありましたが、その偶然の出会いが与えてくれたものは、多くの学びが凝縮された貴重な経験だったようです。

 

最後に、自転車の魅力について、教えてもらいました。

「歩くよりも速いし、坂道には達成感がある。楽しい競技です」

 

writer:Ooki Morikawa


屋我地ロードレース【Report1】

去った7月16日に開催された沖縄県選手権自転車競技大会・屋我地サイクルロードレース大会で、ツール・ド・おきなわ協会は協力者の力を借りて、ご参加された方々にインタビューや取材を実施。

 

今回の企画に協力頂いた、ライターの森川氏から大会終了後に「自転車競技を知ってはいたが、これまで観戦する機会もなく、初めて生でサイクルロードレースを見ることが出来て興奮しました。また、参加された方々がいろいろな思いをもっており、特に皆さんが自転車に出会えたことが嬉しいと話してくれたことが何より印象的でした。」と語っておりました。

協力ライターの森川氏は自転車競技に精通していないが、沖縄でこれだけの熱気あるレースの魅力を自分のように自転車競技を知らない方々に伝えたいとの想いで書いたレポート記事を今回掲載致します。

 

【屋我地ロードレースReport1 「チャンピオンクラス優勝者 新城雄大」】

 

 

「勝ってほしい」と応援される勝者

 

 

今回、チャンピオンで見事、優勝した新城雄大選手に、お話を伺いました。

 

 

  • 勝者の偽らざる本音の一言

「うれしいです!」「やりました!」というような、歓喜にあふれた言葉が発せられると思いきや、勝利者インタビューの第一声は、静かに「安心しました」でした。

インタビュー全体を通して、「勝った喜びから、無邪気に饒舌になる」というよりは、「冷静にこれまでを振り返っている」という印象が強く残りました。

その新城選手は、周囲から、「勝って当たり前」という目で見られていました。また、ご自分でも、「勝たなければならない」という強い想いがありました。

それは、強いものだけが感じることができるプレッシャーだと言ってしまえば、それまでかもしれません。

しかし、そのプレッシャーが時には、心身ともに、選手を追い詰めてしまうことも、少なくないことは、私たちも知っています。

だからこそ、その通り「1位」という結果を手にした時に、安堵してほっとしたのが、新城選手の率直な一番の気持ちだったのでしょう。

 

 

  • 勝つために描いたレースプランは?

重圧のかかる中、新城選手がレースに勝つために描いたプランは「逃げに持っていく」ことでした。

一番強みを発揮できるのは、アップダウン。この屋我地の地形は、新城選手にとっては、走りやすいコースです。

そして、逃げ切る展開が得意。

一方、スプリントはそれに比べると、できないことはないが、一番の強みではないというのが、自己分析です。

そこで、「逃げに持っていく」レースプランを描いて、レースに臨みました。

そうすると、どのタイミングで出るのか、判断が勝因をわけるところですが、レースを振り返っていかがでしたでしょうか。

 

 

  • レース中に勝利に近づくことができたのは?

「アタックというよりも、集団を小さくしようとしたら、そのまま離れ、その後はその流れで行けた」

勝利を引き寄せたのは、「どのタイミングで出るかという判断」でした。

期待してくれる人たちのためにも、自分の矜持としても、慎重なあまり消極的な試合運びをするのではなく、勝負所でこそ積極的な姿勢で臨むというのが、新城選手のこのレースのこだわりでした。

がむしゃらに走れば勝てるほど、強者の集うレースは、簡単ではありません。

特に、重要な試合であればあるほど、慎重になりがちで、積極的に挑むためには勇気が必要になるのが自然な人情です。

レース中の自分を信じることができたことが、新城選手の勝利への一番の近道だったのかもしれません。

 

 

  • 自分を信じるために、日ごろからしているトレーニングは?

インタビュー全体を通して、「冷静にものを判断して、自分で最善の選択を考えることができる」人という印象がありました。それを一番感じたのが、このトレーニングのお話を聞かせてもらった時です。

練習は、距離にすれば、毎日120〜200kmくらいを走っているそうです。

注目すべきは、そのメニューはすべて一人で考えて作っているそうです。

例えば、先週のトレーニングメニューを踏まえて、今週に強化するポイントをメニューに反映する。

例えば、次の試合のコースを分析して、そこで勝つために必要なものを強化するためのメニューを作る。

それでしっかりと結果が出ているというのは、メニュー作りや自己管理が卓越している証拠であり、勝つべくして勝つ勝者の入念な試合の臨み方をうかがい知ることができました。

 

 

  • ただ強いだけではない、お手本となるべき紳士のたしなみ

結果にこだわる孤高のアスリートという印象がありましたが、それに加えて、とても紳士的な一面も持ち合わせていました。

自転車競技は、落車の危険と隣り合わせで走ります。自分がどれだけ気を付けていても、他の選手の落車やトラブルに巻き込まれて、ケガにつながることも、少なくありません。

だからこそ、選手一人ひとりのマナーや良識が、要求されるのが、自転車競技であり、まさに「紳士のスポーツ」なのです。

その中で、例えばレースに不可欠なボトルの扱いなど、選手の良識でいくらでもクリーンなレースにできることも多数あります。

ボトルの水を捨てる時にも、周囲の人に水がかからないように、配慮して、水を捨てる。

タイムと順位を競う真剣勝負の最中のことですから、周囲に気を配るゆとりがあるはずはありません。それでも、マナーを守り、良識的なレースをするのは、それが本人にとって、当たり前であり自然なことだからです。

言われなければ気が付かないような、一見ささいなことであっても、周囲に気を配ることができるのは、日ごろからクリーンでフェアな競技を心掛けている証ではないでしょうか。

ただ速いだけではなく、そして強いだけの選手でもない。

スポーツマンシップで戦う紳士のアスリートであるのが、新城選手の大きな魅力でした。

そのような姿に感銘を受けたり憧れたりして、自転車競技のファンが増えると、とてもうれしく思います。

 

 

  • 注目の、今後の活躍の場は?

今回、勝つという結果を残して、「ほっとした」と言いながらも、この後に、すぐ、海外の試合や国体、11月の「ツール・ド・おきなわ」が控えています。

ファンや応援してくれる人に対して「皆さんの応援が力になります」と、静かでいながら力強く語る新城選手。

今の大きな夢は、遠くない将来に「ツール・ド・フランス」に出場することです。

「勝つためなら何でもする」選手もいますし、特に賞金がかかるプロの場合、それが間違いとは言い切れません。

しかし、勝つことには並々ならないこだわりを持ち、孤高のメニューをこなしながらも、ただ強いだけではなく、周囲の人や応援してくれる人たちを大切にするアスリートは、見ている私たちに、感動以上の大きなものを与えてくれます。

短い時間の中のインタビューではありましたが、新城選手の言葉には、あたかも引力のように、ファンを惹き付ける魅力がありました。

「ファンや応援してくれる人に対しての一言は?」という質問に、「皆さんの応援が力になります。ありがとうございました」と、静かでいながら力強く語る新城選手の短い言葉に、それが集約されているように感じました。

だからこそ、率直な第一声が「安心しました」なのかもしれません。

11月の「ツール・ド・おきなわ」をはじめ、これから出場の大会での好成績を応援したいのはもちろんのことですが、大きな夢の一つである「ツール・ド・フランス」の場で、沖縄が誇るアスリートが活躍する日を、今から楽しみにしています。

 

 

writer:Ooki Morikawa

 

 

 

 


沖縄県高校総体レースレポート

去った5月14日(日)に開催された沖縄県高校総体自転車競技ロードレースで優勝者の成海大聖選手(普天間高校)と準優勝者の平安山良希選手(北中城高校)の2人にインタビューを行い、当日のレース、インターハイへの思い、ツール・ド・おきなわジュニア国際ロードレースの抱負を聞いてきました。

 

大会名:第34回沖縄県高等学校自転車競技大会【ロード】

レース開催日:平成29年5月14日(日)

開催前日の13日及び翌日の15日はトラック部門開催

開催場所:大宜味村大保ダム特設コース

コース距離:2km × 30周回(60km) 女子2km × 15周回(30km)

出場選手:男子41人 女子2

 

【レース内容】

開催日前日の13日に梅雨入り宣言をした沖縄。その影響でレース開催前の朝5時過ぎまで強い雨が降り、レース開催を危ぶまれたが、高校生達の思いに応えるかのように6時過ぎから天気も回復に向かう。ただ、朝方の雨の影響でコースコンディションは非常に悪く、高校生活最後になるかもしれないレースということもあり、選手達の緊張度がより増すことになった。

そのようなことから、レース序盤は有力選手達を中心に大人しいレースになることを予想したが、昨年度優勝者でゼッケンNo.1を付ける成海大聖選手がレース序盤から猛アタック。それにゼッケンNo.2の平安山良希選手(北中城高校)とゼッケンNo.3の具志堅大士選手(北中城高校)がそれに反応し、3人が抜け出す形となった。レース終盤に向かう20周回過ぎまで先頭3人でローテーションを順調に回していたが、そこからゼッケンNo.1の成海大聖選手(普天間高校)とゼッケンNo.2の平安山良希選手(北中城高校)の2選手が抜け出し、残り3周回となった時点で3位のゼッケンNo.3の具志堅大志選手(北中城高校)と1分40秒のタイム差がつき、優勝争いは完全に2選手に絞り込められる形に。お互いで牽制を繰り返しながら最終周回となる30周回目(残距離2km)に突入。そこからも決定的なアタックは決まらず、ゴールスプリントでの最後の決着に2人は向かう。残り150mから2選手ともに仕掛け、残り50mでゼッケンNo.1の成海大聖選手(普天間高校)が抜け出し、ゴール。レース開始のアタックから最後のゴールスプリントまで積極的に仕掛けていった成海大聖選手(普天間高校)が見事栄冠を掴んだ。

レーススタートからゴールまでずっと争った2人の選手が、最後お互い笑顔で肩を抱きながら走っている姿がこの日のレースをより印象あるものにした。

 

【沖縄県高校総体自転車競技ロードレース優勝者インタビュー】

 

○成海大聖選手(普天間高校)

 

今日のレース戦略は?

最初から攻撃的な走りをしたいとは決めてました。

県新人大会では、北中城高校の平安山君と澤岻君に足を使わされたので、今回は最初からガンガン

仕掛けていきながら、最後は二人に絞り込もうと考えていました。

高校最後のインターハイなので、悔いのないレースをすると決めて、絶対優勝したいと思っていました。

 

レースを終わっての感想を聞かせて下さい。

レースとしては、狙った展開になり、優勝出来たことが本当嬉しいです。

最後の周回は北中城高校の平安山君と二人になり、高校生活を振り返りながら、最後のスプリントに挑みました。スプリントは絶対悔いを残さないよう、力一杯踏むことができた。

最後の最後を噛み締めつつ、楽しい勝負ができました。

 

最後スプリント勝負になりましたが、その時には勝てるとの確信はありましたか。

沖縄県内では負けたことがないと自分を勇気付けてましたが、正直五分五分との気持ちでした。

 

全国高校総体に向けての抱負を聞かせて下さい。

4km速度競走とロードレースで全国一を目指したいです。

 

ツール・ド・おきなわは出場予定だと思うのですが、これまで小学生レース及び中学生レース優勝という記録は成海君しかもっておりません。これでジュニア国際レースを優勝するとツール・ド・おきなわジュニア年代全てを制覇することになります。ぜひ抱負を聞かせて下さい。

昨年は6位という結果だったので、今年は絶対優勝することを目標に練習を頑張ります。

子供の頃から優勝することが目標の大会なので、大会記録を作っていけたら嬉しいです。

 

○平安山良希選手(北中城高校)

 

今日のレース戦略は?

特に決めてはいませんでした。レース展開としては、有力な選手しか残らないコースということはわかっていたので、その時のメンバーでどうするか考える予定でした。

 

今日のレース展開はどうでしたか。

最後はもっとメンバーが残ると思ってましたが、成海選手の序盤からのアタックが想像より相当きつくて途中でちぎれてしまうと思うぐらい攻撃力がありました。その攻撃でメンバーが一気に絞れてしまい、最後二人のスプリントという形になりました。

自分から展開して先行して主導権を握るべきだったと思っています。

 

レースを終わっての感想を聞かせて下さい。

高校最後かもしれないレースで最終周回では3年間を思い出しながら、最後のスプリント勝負に備えました。成海選手と二人で優勝を争った瞬間は、自転車競技の楽しさを感じることができました。

今は高校最後の舞台で成海選手と良いレースが出来て、正直ありがとうっていう一心です。

今日のレースは自転車をやっててよかったと思える戦いで自転車競技って本当に楽しいと思える内容でした。

7月の屋我地ロードレースでは自分が今年ディフェンディングチャンピオンなので、そこで成海選手を迎え撃ちたいです。だから、今年は成海選手に屋我地ロードレースに出て欲しいです。

 

全国高校総体に向けての抱負を聞かせて下さい。

全国選抜大会で2位になったトラックのポイントレースでは日本一を取りたいです。ロードレースは入賞を目指します。

 

ツール・ド・おきなわの抱負も聞かせて下さい。

昨年は成海選手に協力してもらって5位になることができました。本当にきついコースでレースも厳しかったのですが、成海選手と最後ゴールまで向かうことができたので、感謝しています。

今年は成海選手と二人で1・2フィニッシュしたいです。

 

 

高校生活最後の高校総体でのレースを噛み締めながら走ったという両選手。ともに最終周回はこれまでの高校生活を振り返り、ライバルであり友達でもある2人の決着をこの舞台で争えたことが嬉しかったという2人の笑顔がとても輝いていました。

 

沖縄県高校総体自転車競技大会参加選手の皆様、力一杯戦う姿を見せてくれてありがとうございました。

また、レースレポート及びインタビュー掲載にあたり、ご協力頂きました沖縄県高体連自転車競技専門部の皆様、父兄の皆様、誠にありがとうございました。

この場を借りて感謝申し上げます。

 

 


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